読者文芸欄
短歌,他
谷 鼎
pp.202-204,209-210
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909960
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谷鼎先生(たに・かなえ)はひと口に温厚篤実と申上げるのが一番ぴつたりする。おだやかな飾り気のないお人柄がそのお話振りにもうかゞえる。私が先生宅へ伺つたのは春未だ浅い日の昼さがり,竹の垣根に冠木の御門の大きな構えのお邸は東京新宿の静かな住宅地の一角にあつて,付近には深尾須磨子先生宅もある。大東文化大教授を勤められる傍ら,柏木歌会を主宰され,国文学に関する著書も数多い。歌集には「伏流」「青あらし」等。広い庭に面した書斎で今日も著作のペンを執られる先生は,この短歌に,永続きする人が少いと歎いておられた。(O)
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