病室の花
窓辺で育てるマリーゴールドの鉢植
浅山 英一
1
1千葉大学園芸学部
pp.65
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909779
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畑や庭がなくても窓辺で鉢植が楽しめたら病室向きにこれほどいいことはありません。3月はじめの病室の窓辺は外のフレームに匹適する状態ですから種子をまいてもすぐ芽生えて来ます。こゝにおすゝめするのはフレンチ・マリーゴールドの鉢植えです。フレンチ・マリーゴールドは庭に育てば茎丈が8寸から1尺位になりますが,3月はじめからまけば4〜5寸で咲き可愛い花を数輪開きます。色々の品種がありますが,人好きのするのはハーモニイ,スプライ,サンキスなどです。種苗店でこの名指しで種子を一袋求めて来ましよう。
たねまき—木箱でも素焼の赤鉢でも結構ですから,細かく碎いた畑土に2-3割の腐葉土をまぜます。腐葉土は森蔭や林の凹みに腐つてボロボロに細かくなつたものを使いますが,もしなければ,ゴミ土を2分目の篩いを通して使つてもかまいません。砂ばかり,土ばかりでは水をやると固くしまつていけません。土を平らに均したら黒くて細長い種子をバラまいて2分目篩いで種子のかくれるまで鉢土と同じ土をふるいかけます。覆い土の代りにワラ灰を適当にかけておいてもかまいません。鉢にまいたものは西洋皿の上にのせ,皿に水をたつぷり注いでおけば,自然に水を吸つて一週間か十日で芽生えて来ます。
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