医学のあゆみ・40
肺の造影剤
杉 靖三郞
pp.37
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909771
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X線が発見されてからもう55年以上になるが,これが医学の診断の面に使われて,病変の場所を透視できるようになり,大きな医学の進歩をうながしたことは,いまさらいうまでもない。
しかし,X線は,体の内部臓器をすどおしにしてしまうので,それだけでは病変をはつきりみることはできない。それで,X線の影を出すための藥剤-造影剤-をつかつて,影をはつきり出させることがやられている。たとえば,胃や腸をしらべるには,硫酸バリウムをおかゆにして飲ませたり,ヨード剤を腎盂や血管に注入して影を出させるのである。
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