講座
麻疹の流行と予防
嶋田 和正
1
1都衛生局公衆衛生部
pp.23-27
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909767
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麻疹(はしか)は大抵の人が小児期にかかりその症状もよく知られているため,簡単な病気と考えられがちで,適切な処置が怠られることが多いが,決して軽い疾病ではない。はしかの流行の年には多数の乳幼児がかゝり,しかもその死亡も相当数見られ,乳幼児の死亡原因の上位を占めているのである。またはしかにかかると小児の栄養発育の状態が悪くなることが多く,結核にかゝつている小児では結核が進行することがあるといわれるので,はしかは小児にとつて一大脅威であり,これの対策は,小児保健上大切な事がらである。
はしかの症状についてはよく知られていることであるから,以下主としてはしかの流行の模様と予防方法について述べる。
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