講座
濕布の學理
足立 喬
1
1東京大学物療内科
pp.6-9
発行日 1955年1月15日
Published Date 1955/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909722
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(1)湿布の種類
病気には手当という言葉がある。痛いところへは誰でも反射的に手を当てる。手を当てることによつて,痛むところを外界の刺戟から守り,手の温かさ又は冷たさが痛みをやわらげ,手による圧迫も止血や鎮痛の作用があることを本態的に知つているからであろう。
局所を覆つて温めたり冷したりする方法を罨法(あんぽう,Umschlag〔独〕,Formentation〔英〕)という。温めるのを温罨法といゝ,冷やすのを冷罨法という。又乾いた布や,空気を介して行うのを乾式といい,湿つた布や,蒸気を介して行うのを湿式という。
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