発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907236
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如月の空,春あさみ,寒風いとど身にはしむ。まことにその通り,如月といえば寒さも絶頂で,次の月彌生ともなればはやはりつめた氷の底に,耳をすますとチロチロと雪どけ水の流れる音をきく事も出來るのだが。
朝毎におく霜はいよいよ深く,あたかも雪かと見まがうばかり,いてついたコンクリートの上を歩く靴音も下駄音も夜空高くキンキンとひびいて頭の寬のずいまでさむさが通りぬける思いだ。
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