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                                    鹿兒島縣立看護學校—臨床看護學科
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.38-40
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1952年9月15日
                  Published Date 1952/9/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907136
                
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日本の最南端にある私共の看護學校は今年やつと二つ,まだよちよち歩きの赤ん坊に過ぎません。皆樣に手をとつて頂きながら先生始め生徒一同早く大きくなりたいとたゞそれだけを來る日も來る日も念じております。何分にも新しい學校なので外部からの關心も大きく當局の御苦心も並大抵の事ではない樣です。それだけに私共生徒も大きな希望に燃えつゝ自重していそしんでおります。學校の臨床實習場は縣立大學醫學部附屬病院でそれぞれの場所で主任看護婦の方々がやさしく導いて下さいます。又醫師始め他の職員の方々も私共生徒の立場を良く理解して下さいまして,共々に同じ茨の道を開拓するという意味に於て日夜絶ゆまない精進を續けております。然し一面に於て私共の實習場は「教室で習得した知識技術を實際に綜合應用し經驗を重ねる」というだけの單純なものではなく筆舌につくし難い困難がひそみ並々ならぬ工夫と努力が強く要求されているという事を痛感させられます。
古い因習の力!!理想とは凡そかけ離れた環境にある病室!!その中で私共は創造する者の喜びを味いつゝ一歩々々と建設して參りました。然るに去る4月24日未明私共の實習場は全焼しました。午前0時15分病院横の住宅街から上つた火の手は折からの強風にあおられて,附近一帶に燃え廣がり一瞬に病院をなめつくして了いました。精魂を傾けつくして育てゝ來たものを失つた悲しみ,それは當事者ならでは理解出來ないものでしよう。

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