ケーススタデイ
重症心臟病の看護
福田 泰子
1
1國立舞鶴病院附屬高等看護學院
pp.40-44
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907117
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重症心臟病の看護と固苦しい題を擧げましたが,私のこれから書こうと思う事は,この看護の中で實際に私がある患者さんに對して行つた看護と,又それに對する感想といつた樣なものです。Y. K. さんは56歳(女)で,中學3年の男の子と2人暮し朝鮮よりの引揚者で特に親しい親類とか知人もない樣子でした。21年に心臟辨膜症の診斷を受け24年11月21日に本院の外來で診察を受けられ,診斷は,代償不全性僧帽辨膜障碍とつけられ24年11月22日に本院内科に入院されました。入院時は,血壓140/120。X線所見は心臟陰影が,兩側に擴大されている他,特記すべき所見はなく肺にも特別の所見はみられません。入院されてより,ヂギ末,利尿剤を與えましたが,大して苦痛がないため24年12月30日からヂギ末を止めました。しかし多少の呼吸困難をしめしています。24年12月20日頃から,深窩部の疼痛を訴え,12月30日に肝部の疼痛と判明して,ロートエキスを投與されましたが,效果なくパントポンを永く使用されています。25年1月末からは,再び呼吸困難,心悸亢進,浮腫のために強心剤,ヂギ末を投與,肝臟部の疼痛は,永く續いており,25年2月17日に肝機能檢査の結果,肝機能障碍を示しており,檢尿の結果,蛋白を證明しています。25年の3月頃から心臟症状が強くなり腹痛が強く訴えられるために,強心剤,鎭靜剤を投與されています。
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