連載 A子とともに(コント)・6
プリズム
關口 修
pp.44-45
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907078
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職業婦人は一般女性よりも,より深く社會を見,男性に接觸する機會が多く,從つて觀察の眼が高い。だが看護婦は病めるものをいたわることが義務であり,慰めや同情を求める者を拒むことが出來ない。そうした習性のある白衣の幻影を,勝手に具體化しようとする男性の卑屈さ—長い間看護婦生活をしているA子は,常にそのことを警戒していた。
知らなくても想像は出來る。觸れなくとも太陽の熱さはわかる。ましてA子ははつきりとした事實をつかんだのである。
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