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初夏に多い皮膚疾患
谷奧 喜平
1
1東大
pp.14-17
発行日 1952年5月15日
Published Date 1952/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907047
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春から夏にがけて多い皮膚病としては,光線,性ホルモン並にアレルギーに關係する皮膚疾患が老えられます。
尋常性痪瘡は青春期に發生し,時に顏面等に醜形を遺し,青年女子には一生影響する心理的障碍をひき起し,殊に嫁入り前では親もろともに心配するものであります。本症はもつとも普通に見られる皮膚病の一つであつて,我國では皮膚病患者の2〜5%を占めていますが,實際にはもつと多い筈です。米國では食餌,化粧品等が原因となつてか,濕疹に次いで第2位を占め全皮膚病の5〜13.0%に相當しています。女性は男性の約2倍以上罹り,年齡的には16-25歳が80%以上を占め,季節的には春,夏に多く,冬は少ないものです。と云うのは本病の發生には氣温が關係し,又生殖腺の内分泌が脂肪機能に深い關係があるからでしよう。又夏多いのは皮膚が不潔になり皮脂の蓄積を來たすからであります。
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