醫療と看護

　先日新聞が報道していたように，去る8月2日國立鯖江病院で，看護婦の靜脈注射による過失致死事件が發生した。この事件を契機として靜脈注射は本來醫師が行うべきものであつて，看護婦にその指示をすることは不當であると云うようなことが論ぜられ，更に一般的に看護婦の業務の範圍と醫師，歯科醫師による指示の限界と云う問題についてこの際深く堀下げて考えてみるべきであると云う意見も出ている。

　これらの論議がどのように落着くかは今後のこととし，ここでは上のような具體的な問題を離れ，而も對象を極めて限定して，現行の法令の上で兩者の關係はどのように定められているかを述べてみることとする。