2頁の知識
小兒結核の治療
淺野 秀二
1
1東一小兒科
pp.42-43
発行日 1951年4月15日
Published Date 1951/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906838
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1.はしがき
醫療界に於いて結核の治療法程急激の變化を示したものは最近見當らない。それは1944年ワツクスマン等によつて抗生物質ストレプトマイシン(以下ス劑と略稱)が發見された爲であり,更にPAS,TB1等の新藥が相ついで産生された爲である。從來發病3〜4週後には必ず鬼籍に入ることになつていた結核性隨膜炎がス劑使用により初めて治癒例を見出しえたことは,醫療界の驚異であり,本劑の發見は結核治療上正に一大革命をもたらしたといつても過言ではないであろう。
殊にこれらの治療劑が成人よりも小兒により良き效果をもたらす結果を示すに至つたため,我々小兒科醫は從來たゞ拱手傍觀していた患兒に對し欣喜雀躍して治療にあたつている次第である。之等の藥劑が成人より小兒により效果ある原因は,成人の結核は主として所謂第三期の結核であり,小兒の結核は感染後間もない第一期,第二期のものが主であり,ス劑等は第一期,第二期の結核に顯著な效果を示す爲である。
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