隨感隨想
男の受驗した看護婦國家試驗
靜思庵 一徑
1
1長島愛生園
pp.57-58
発行日 1951年9月15日
Published Date 1951/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906934
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電氣スタンドの光の下で,看護學のページを繰る。もう何時だろうと,タバコに火をつける。室から洩れてくる子供達の寝息が聞える,遊び波れたのであろうラジオが,子守唄を唄つている。おやすみ番組である。
40の坂を越して,一國家試驗を受けねばならない,小學校の進級試驗しか經驗の無い自分,過去の想出や記憶は,その割りに忘れていないのに,今日習つた一講義がかえつて,記憶から遠のくようだ,これでいいのだろうか,時計の刻む音と共に,試驗日は近づく,自信が持てない。
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