発行日 1946年11月15日
Published Date 1946/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906129
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昨日お目にかかれたのは幸運でした。やはりいちばんきがかりになってゐるのは,國家試驗のことだと,はつきりしました。ことに若いひとたちが顔をそむけて試驗の話題を避ける氣持もよくわかりました。議會を通過しなければ試驗の有無は不明です。しかし輿論の趨勢はどうやら必須なものとするやう推定されます。
試驗ときくとだれだつてうんざりします。しかし從來のやうな記憶力でなく理解,つめこみでなく判斷,暗記でなく創造的な傾向をもつて譯述されるやうです。本誌の誌上模擬試驗みたいな形式ではないでせうか。朝から夜更けまで,ふるさとからの妹や母の手紙もおちおち讀めないで立ち働かねばならぬナースに試驗準備の時間がつくづくないのはあたりまへです。しかし試驗委員はきつと,思ひやりぶかく,具體的體驗の學的明確を吟味されているにちがひないと考へます。ですから,ひどくおそれたり,取り越し苦勞は控へませう。
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