名詩鑑賞
—明石海人—母
長谷川 泉
pp.64-65
発行日 1950年5月15日
Published Date 1950/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906653
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明石海人は癩患の歌人として名を殘した。「白描」は彼が生前世に殘した唯一の歌集であるが,この「白描」一卷は歌人としての彼の名を永遠にささえているおなじく癩患の作家北條民雄が「いのちの初夜」によつて作家の名をとどめているのと同樣である。
彼は少年の頃畫家になろうと志したことがあつた。藝術家的なセンスがそなわつていたのである。彼は湘南の地の名門に生れ,惠まれた生活の中にそだつた。相愛の妻と結婚生活に人り二人の女の子があつた。
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