発行日 1949年11月15日
Published Date 1949/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906557
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東京の郊外,池袋から武藏野線で約40分,日本のパフワースといつてよい清瀬には,約12ばかりの結核療養所がある。この武藏野の面影のなお殘つている松林の中に珍らしい子供だけのサナトリウムが出來た。これは,東京民事部,公衆衞生課長,マニトフ博士の指示によつて,東京都が恢復期の結核患者の爲の保養所として約14年間使用していた建物を改修して作つたものである。
病床は100床で,入所年令は乳兒から14歳までの結核にかゝつている子供である。現在は97名入院して,朗かに療養に專心している。その中,滿2歳迄の者が15名,2歳から滿6歳までの幼兒が30名もいる。子供だけ入れる結核療養所は日本ではほかに大阪の郊外の貝塚にあるが,そこは5歳以上の子供でなければ入れない。こんなに乳幼兒をたくさん入院させている所は私の所しか日本ではないのではなかろうか。原則として,附添人をつけない方針であるから,現在,看護婦,保姆合せて18名で看護,保育をしている。
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