発行日 1949年3月15日
Published Date 1949/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906439
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終戰後茲に4年目の新年を迎へましたが,日本看護界は“GHQ”の御指導のもとに各方面からの改革が講ぜられつゝ今日に及びましたが,その主なものに現在尚續行されて居ります再教育!
中央では各病院よりの代表の方々がが受講されている様ですが,この方々は中央集合教育で基礎看護法をはじめ教授法に至る迄受講されて,各自の病院に大きな希望と,傳ふべき抱負を持つて歸られ,歸院後は病院當局の協力を得られて各自の受けられた講義を如何にして徹底すべきかと最良の方法を計畫されることゝ思ひます。しかしこの方々が如何に立派な計畫のもとに熱意をもつて普及の任に當つても,被教育者の方々に自ら求むる熱意がなかつたならば,教育の成果はあがらづ,日時の徒勞に終り私達向上の“導の灯”再教育も無意義に終らないと何人が斷言出來ませう。「牛にひかれて善光寺參り」が如き「他人が再教育を受けるから私も受けて見よう」等と確固たる信念なく浮腰で再教育を受けるともなく受けたり,甚しきは再教育の必要を認めない人があると聞いては暗い,砂を噛むとも言ふか,表しがたい氣持です。建設途上にある中に少數とはいへ破壞的意見態度等にて秩序をみだす人があるといたしますならば。周圍に及ぼす惡影響を考へると黙する事はできません。
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