発行日 1948年11月15日
Published Date 1948/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906394
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「日曜オレゴニアン」誌1948年2月8日號より再版
オレゴン大學から程遠からぬ所にある聖心病院の舊看護婦寮に身體の不自由な少年少女等が清潔な陽當うの良い環境の下で正規なアメリカの公立學校にいる彼等の友達と同等の勉強をしている。米西岸オレゴン州の新計畫の一つであるユージンの兒童病院學校は1947年10月に開校され,これは主としてオレゴン青少年不具者協會と共に活動しているレーン郡民の,ある企業團體の盡力によるものである。同校は既に試驗的段階を終了している。このことは單に30名の會員及び彼等の兩親にその成果を約しているばかりでなくて,青年不具者の教育療法とも謂うべき一つの新しい型の尖端をいくものとして全米洲の衆目の的となつている。
同病院學校は5日間の時聞割に基いて,年齢に依り二部制を行つている。午前中は3歳より6歳迄の學齢前の児童が幼稚園教育を受ける。午後は6歳より14歳迄の児童が出席する。偶々一見した者にとつてはこの學校は不具の兒童達がぶらぶら時聞を過す「遊び學校」という風に見受けられるであろう。「ジルは階段の昇り降りを習つている時には綴字の勉強は出來ない」と或人は指摘している。しかしそれらはことごとく正規な授業になつていくのである。これが即ち現在實行されている知育及び體育兩面の向上に就いての近代概念である。
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