発行日 1948年5月15日
Published Date 1948/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906327
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恢復期にある患者又は長期に亙る病に罹るも輕き手細工を爲すに差支無き程度の病人は何もせずに居ると退屈になる。殊に不斷働くことを好める人を精神的にも身體的にも一種の苦痛を感ずることあり,如斯場合に自分の動作や工夫によりて極く簡單なる物にても拵へたならば内々多少の滿足と幸福感を受け氣持が良くなるのみならず,進みて一時病感を忘るゝ事さえある樣になる。尤も病人の手仕事は始め數分間に限り休みながら段々長く續ける樣にする事が大切にて健康者の如く働く事は禁物にして其人により毎日少しづゝ時間を長くし疲勞を來さゞる樣に注意せねばならぬ。第1日になつて仕事は2,3日も續け夫より又他の仕事に移り患者をして厭かしめざる事に務む可し。恢復期にある人々は寧ろ控え目に仕事を與え獎勵に過ぎざるを良とす。
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