発行日 1947年8月15日
Published Date 1947/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906223
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輸血や體質研究の爲め,或は遺傳關係を調べる爲めなどで,血液型を檢査決定するのは,一般に廣く行はれてゐることで皆さんもよく御承知のことです。AB型,A型,B型,O型に決定して,めいめい覺へて居つて,例へば空襲で負傷した時に,他人から血を貰ふ場合にも他人に血を與へる場合にも利用する樣にされていました。又現在入院患者には洩れなく血液型を調べてカルテに記入して居る病院も澤山あります。それで血液型のことは廣く皆なが知つて居ます。併しこの血液型に就ては,醫學者達が引き續き一生懸命に研究して,その結果,今日では血液型は單純にAB型,A型,B型,O型の四型だけではなく,それには更に複雜種々な關係があることが判つて來ました。勿論人類の凡ての人がAB型,A型,B型,O型の四型の何れかに屬することは間違ひないのですが,同じA型なりB型なり又AB型,O型であつても,その中には夫れ夫れ多少異なるものがあることが判り,更に何れの血液型の人でも,AB型,A型B型,O型の何れかでありながら,その上に又ちがつた型の特長を持つ場合のあることが判つて來たのです。それはM型或はN型,Q型,E型などと呼ばれた特別の型です。
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