連載 カズのカンボジア日記・7
「ありがた迷惑」ではいけません
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.290-291
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906017
- 有料閲覧
- 文献概要
●孤児院プロジェクト始動!
AHCも当初は日常のナーシングケアを充実させるのに手一杯でしたが,開院から2年を迎えるにあたり,院内でさまざまなプロジェクトを始められるようになりました.たとえば,管理職養成,新人スタッフ教育,HIVカウンセリング,ホームケア,地方保健機関教育などなど.そのひとつに孤児院プロジェクトがあります.
この孤児院プロジェクト,最初は各国から来ている院内ボランティアナースによる個人活動で始まりました.私の場合はシェムリアップにある州立孤児院の存在をたまたま知る機会があり,訪ねてみようと思ったのがきっかけでした.はじめてそこに行ったときには50人からの孤児たちの澄んだ瞳に見つめられ,ドキドキと心躍るような気分でした.しかし,その反面,慢性的な皮膚の疾患や「ゴホッ,ゴホッ」というイヤーな咳をしているような子が多く,ほとんどの子が何かしらの病的症状を訴えていることがわかったときには「何とかせねば!」とじっとしていられない気分に駆り立てられました。そして,週に1度の訪問で健康チェックをし,必要ならば病院へ来るように伝えることにしました.けれど通えば通うほどに「あれも,これも」とやることが増えていきます.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.