連載 考える
ノマド医師のフランス医療探訪記第1回【新連載】
視察旅行好きのあなたへ—住民の視点で現地の医療をみたことありますか?
重光 哲明
1
1外科
pp.496-499
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905846
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遊牧民の視点
Q のっけから質問ですが,“ノマド”ってどういう意味ですか?
A たぶんそういう質問がでるだろうと思っていたんだ.ノマドとは本来は遊牧民のことで,異なった環境や地域を移動しながら,牧畜技術で生活を立てている人々のことを指す言葉だ.僕は医者になってから,大都市,僻地と地域を変え,また経営体の違う医療施設をいくつか経験したし,日本以外でも,あちこちで経験をつんだから,ちょっとおおげさだけれども,遊牧民になぞらえて自分をこう呼んでみたんだ.昔から,環境や制度,場の変化,つまり実際の医療の現場の違いで,学問としての医学がどういうふうに変容して実践されるかに関心があったからね.
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