特集 ズバリ答えます!放射線をめぐる看護の疑問と不安
放射線検査・治療とナースの役割—患者の不安と苦痛を軽減するために
黒田 正子
1
1聖路加国際病院放射線科
pp.222-229
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905788
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なぜ放射線診療の知識が必要か
放射線診療を受ける患者
放射線診断などを受ける患者について対象の特殊性を考えると,その1つに疾患の種類や症状の軽重,年齢,性別に限定がないということがあげられよう.そしてまたどのような患者とその家族も大なり小なり疾患に対する不安と,放射線や検査という未知の体験への恐怖を感じている.さらに放射線治療を受ける患者に限定すれば,そのほとんどが悪性腫瘍疾患の患者であり,疾患の段階にも外来通院可能な小康状態からターミナル期までと層がある.このことから,放射線治療を受ける患者の疾患に対する不安はいっそう強く,なかには治療についての理解不足からくる緊張感を伴っている患者や家族が看護婦の援助の対象となることもある.
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