特集 安静苦痛を緩和する—安全性とQOLの両立をめざして
頸椎術後の拘束状態に伴う苦痛を軽減するための看護介入
栗原 一子
1
,
小野関 仁子
1
,
小板橋 喜久代
2
1群馬大学医学部附属病院整形外科
2群馬大学医学部保健学科
pp.32-38
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903645
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頸椎脊柱管狭窄症の手術療法術後は,一時的に不穏状態・精神錯乱状態(幻覚,幻聴,興奮など)を示す患者が多い.当科においても2000(平成12)年1月から9月までの症例18人中,不穏状態や精神症状を呈した者は12人であり全体の3分の2であった.術直後の精神症状についてはいくつもの報告がある1〜3).
頸椎手術後に発生する精神症状は一時的なものであるが,その体験は,患者に「自分が発した言動を覚えていない」と言わせるほどの激烈なものであり,心的障害後の記憶の空白体験を思わせる.また,家族にとってはこれまでと異なる人格,見たこともない患者の錯乱状態を経験し,その姿に驚き,落胆する.そのような症状の発生を防ぐための援助についての報告もあるが,その看護介入については試行段階である4,5).今後,精神錯乱状態の発生を予防するための看護介人について総合的な見直し(評価,構築)が必要である.
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