連載 このひと'98
木村ひでみさん—東京海上メディカルサービス(株)メディカルリスクマネジメント室主任―医療事故で悩む看護婦が1人でも少なくなってほしい
きむら ひでみ
1
,
八木 保
1東京海上メディカルサービス(株)
pp.901
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905680
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患者の権利意識の高まり,医療事故訴訟の増加を背景に,日本の医療界でも,「組織に与える不利益な影響を最小に抑える」すなわち「事故を予防する」メディカルリスクマネジメント(MRM)の考え方と方法論が急速に注目を集めている.木村さんは,このMRMの実践を医療界に提案する企業のなかにあって,看護婦の意見を反映させる重要なはたらきを求められている.というのも,いくら病院経営者や管理者の意識が変わっても,現場のスタッフナース1人ひとりがリスクへの意識とそれに対処するツールをもたなければ,現実は大きく変わらないからだ.
看護婦なら誰しも,大事には至らないまでもヒヤリとした経験があるはずだ.木村さんも,看護婦として臨床で働いていたときに,投与する麻薬の量を間違えて「夜も眠れなくなるほど心を痛めた」ことが忘れられない.振り返ってみると,そのときは深夜勤務終了間際,頭があまりはたらかないところでいろいろ急なことが重なっていた.
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