特集 高齢患者のせん妄へのアプローチ
【ケアの実際】長期療養の高齢患者のせん妄をケアする
松下 育代
1
1内灘温泉病院
pp.320-325
発行日 1996年4月1日
Published Date 1996/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905056
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もし,自分がケアしている高齢患者がせん妄状態に至ったら,あるいは至るかもしれないと予測されたなら,看護婦としてなにを注意深く観察し,その潜在的な原因を突きとめれば良いのか,また,せん妄患者を看護する方向性を見つけ出すためには,看護婦はどのような対策を試みれば良いのか.日々の臨床現場にあって,せん妄は,対応に追われるばかりでなく,課題を持って取り組んでいきたい事項である.
そこで本稿では,長期療養中にせん妄状態を呈し,痴呆の進行との区別が困難であったケース1と,転院という環境の変化からあるいは前病院の情報などから,あらかじめせん妄状態を予測し受け入れたケース2を取り上げ,その看護の実際を振り返ることで,せん妄への対応を考えたいと思う.
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