ナマステ!ネパール・11
ネパールでの国際結婚
秋田 智枝
pp.1306-1308
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920007
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満月の下でのプロポーズに‘うん,いいよ.ヨロシク’と答えていました。
ネパール生活を始めて4か月目のころ,私は実はある問題について考えていました.ある問題というのはつまり“結婚”についてです.これまでに何回かそういうことを考えなかったわけではないのですが,うまくいったタメシがなく,私自身なんとなく一生独身……と早くも思い込んでいたフシがあったのです.そんな私にとって,11月1日の満月の夜のデベンドラさんからの言葉は,私の思い込みを打ちくずす結果をもたらしました.
デベンドラ・サヤミ氏は,この連載にも度々登場する私のネパール語の先生です.私にとってこの先生は憧れの対象ではあり得ても,恋愛対象にしたら私が泣くはめになると思い,今から孝えると強い自己規制があったのだろうと思います。ですから半分期待していた言葉ではあったけれど,こうこうと輝く満月の下でのプロポーズは,なにか自分のことではないように私の耳に届きました.それでも私はすぐに,‘うん,いいよ.ヨロシク’と言っていたのでした.
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