連載 カラーグラフ
このひと'95
山中鈴美さん—患者さんのすべてをひっくるめてコーディネート
pp.953
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904912
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山中さんは,千葉県松戸市の三記東鳳新東京病院にメディカルコーディネーターとしてお勤めになっている.聞き慣れない職種名であるが,病院内での立場は病棟には属さない看護婦になる.業務内容は,手術目的で入・転院を希望される患者さんや他院の窓口となることから始まり,退院されたあとの患者さんのフォローアップにまで及ぶ.毎日,外来と病棟とを走りまわって,患者さんの心配事,不安に対応しつつ,リハビリなど他職種との調整のなかで退院に向けてのスケジュールを立ててゆく.この全体像をとらえてのケアのあり方は,日本ではまだ手つかずの状態と言われている病院内でのケア・マネージメントへの道筋を示すものとも考えられるのではないだろうか.
新東京病院は234床を有する民間中規模病院であるが,全国でも最高レベルの設備と人材を有する心臓外科など外科系の高機能病院でもある.そのため,バイパス手術などのために全国から患者さんが訪れるという特殊性を持つ.このような病院の場合,入院から退院までの医療サービスに,いくつかのパッケージが想定され,また,遠方から来院される患者さんに対してはご家族の宿泊の手配などが必要になる.コーディネート業務が量的にも質的にも重要となるという背景がある.
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