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インフォームド・コンセントには医師-患者間のコミュニケーションが重要―インフォームド・コンセント—患者の選択
一戸 真子
1
1東京大学医学部保健社会学教室
pp.704-705
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904859
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診療に際し「患者が医師から治療方法等について十分に説明を受けたうえで同意する」ことを意味する「インフォームド・コンセント(以下ICとする)」という言葉は,最近,日本でも医療過誤訴訟や臓器移植問題でよく使われるようになった.
ここに紹介する著書は,「A History and Theory of Informed Consent(Ruth R. Faden, Tom L. Beauchamp, Oxford Univ. Press, 1986.」の訳書である.原著は,ICに関するどの文献にも引用されるほど,重要参考書の1つである.総ページ数381,内容は道徳哲学,医療倫理学,法律学,心理学など多領域にまたがり,きわめて密度の高い研究書である.このような本格的な文献が日本に紹介されたことの意味はたいへん大きく,今後のとりわけ医師一患者関係におけるICのあり方に1つの示唆を与えると思われる.
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