書評
—岩佐 博人 編著—てんかん臨床に向きあうためのシナリオ
池田 昭夫
1,2
1京都大学医学研究科てんかん・運動異常生理学講座
2日本てんかん学会
pp.965
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227664
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新興医学出版社から,このたび,きさらづてんかんセンター・センター長の岩佐博人先生による『てんかん臨床に向きあうためのシナリオ』が出版されました.主たる編著者の岩佐先生は,精神科の立場から臨床てんかんのみならず実験てんかん,脳波のダイポール解析などを長年積み重ね,現在まで日本てんかん学会の理事,財務担当理事を長年務めてこられました.
先生の今までの幅広い経験のなかから,本書は書名のとおりに,てんかん臨床に向きあう時の精神科的視野とアプローチの視点の重要性を,症例を交えながら解説されており,日々てんかん臨床に向きあう精神科以外の診療科の先生に対して,いかに精神科視点が重要か,また,それがいかに診療の幅と医師と患者の関係に重要であるかを教えてくれます.これはもちろん一般診療に通じることでも重要ですが,特にてんかん診療では欠かすことができない内容であるということが,ケースを読み進めていくと実感できます.
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