連載 カラーグラフ
生体のメカニズム・23
[消化・吸収の生理・3]
消化・吸収からみた“離乳”の仕組み
大橋 俊夫
1
TOSHIO OHHASHI
1
1信州大学・第一生理学
pp.964-967
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904387
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私たちは食事をしなければ生きていけません.それは,9月号の“消化・吸収の生理①”で詳しく述べたように,私たちの体を作っている60〜70兆個の細胞が活発に働くために必要な生物学的エネルギー(ATP)を細胞が十分に生み出すことができるように,絶えずその材料を供給しなければならないからです.
この材料が生体では限定されていて,普通はブドウ糖が主に利用されています.細胞がさまざまな原因(例えば,細胞の中にブドウ糖を取り込むために必要なインシスリンというホルモンが欠乏したような場合)でブドウ糖をエネルギー源として利用できなくなると,脂肪やアミノ酸が代用されることになります.
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