特集 —がん化学療法—症状マネジメント15のQ
Q11 貧血・心毒性・肺毒性—抗がん剤による治療歴の長い患者さん.最近,階段昇降中に呼吸困難が出てきたそうです.
大西 康
1
,
清水 千佳子
1
,
渡辺 亨
1
1国立がんセンター中央病院内科
pp.437-441
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903961
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がんに罹患し抗がん剤を何度も投与された患者さんの身体のなかではどのようなことが起こっているのでしょう.「呼吸困難」ということは,肺での酸素化が低下しているわけです.酸素化とはすなわち「肺に流れ込んできた血液中のヘモグロビンが酸素を結合して心臓へ戻り,全身へ酸素を運ぶ」ことですが,それにかかわる肺,心臓,ヘモグロビン(赤血球)のどれが障害されても呼吸困難につながります.そして,がんも抗がん剤もこれらを障害する可能性を持っています.この患者さんに呼吸困難を起こしうるいくつかの可能性について述べます.
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