連載 看護ケアとしての腹臥位管理—その理論と実践を学ぶ・2
体位変換の手順とトラブル回避
丸川 征四郎
1
1兵庫医科大学(救急・災害医学)
pp.280-287
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903927
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はじめに
体位変換は看護にとって重労働であり,トラブルを伴う可能性が高いので大変に気遣う看護業務です.このため,ほとんどの読者は「より良い方法があれば早く知りたい」と望んでいることでしょう.本来ならシリーズ第2回は生理学的解説が登場すべきなのですが,敢えて「体位変換の手順とトラブル回避」にあてることにしました.いくつかの体位変換法を紹介しますので,自分たちの施設に合った方法,あるいは患者に適した方法を選んでください.いずれの方法も「患者の安全」が最優先事項であるため,必ず後半に述べるトラブルとその同避方法にも読み進んでください.
ここで注意があります.それは,解説した体位変換の手順を読むだけで,直ちに患者に実施してはいけないということです.必ず,看護婦か医師の誰かが模擬患者になって手順を確認してください,できれば,点滴ラインや各種チューブを模擬的に貼り付けてシミュレーションしてください.手順の難しいところ,危険なところ,患者にかかる負担の大きさなど,筆者が書き切れなかった問題点が明らかになり,より安全に実施できるようになるはずです.
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