ミドルナースの大学院生活ウォッチング・8
赤ちゃん誕生
迫田 綾子
1
AYAKO SAKODA
1
1広島大学大学院医学系研究科博士課程前期
pp.1065
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903598
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同級生の院生夫婦に赤ちゃんが産まれた.ベビー室の窓越しに久しぶりにみる赤ちゃんは,2900g.小さくて可愛くて,スヤスヤ寝顔は世界一愛らしいもの.遙か20数年前,“私の赤ちゃん!”と飽きることなく見つめていたことが思い出される.今は「お孫さんは,まだ?」と聞かれる歳になったが,いくつになっても赤ちゃんは無条件に可愛い.
病室に行くと,「さっき沐浴の実習があったから,主人が来て習って帰りました」と,妻のⅠさんが,笑顔で迎えてくれる.明日が退院なので,退院指導を夫婦で受けたとか.「ここまで来るのにも大変だったけど,今からのほうがもっと大変」と思いつつ,口には出さず彼女の話に聞き入る.誕生4日目なのに,育児ノートが新米パパとママの文字でビッシリと埋まっている,私にはその文字からは何が書いてあるのか,全く理解ができない.何ページも何ページも書き綴ってあるので,言葉が,感情が,あふれ出ている感じはよくわかる.「彼が,こんなに子どものことを書き綴るなんて予想外でした」と彼女はノートをめくりながら話してくれる.親が早くも子供に育てられ始めているようである.
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