連載 カズのカンボジア日記・2
“虫!虫!虫!”
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.976-977
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903580
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アンハッピー・ニューイヤー
4月13日から16日はカンボジアの新年,“クメール・ニューイヤー”.どこも仕事を休みパーティーづくし、みんなわれを忘れて恒例行事のアトラクションに明け暮れています.なかでも面白いのが,水のかけあいとベビーパウダーを不意に顔につけあうこと.これらが何を意味するのかはカンボジア人に聞いてもよくわからないけど,タイからの風習が流れてきているらしい.私もいくつかのパーティーに呼ばれ鼻の中まで真っ白になるくらいに粉を塗られカンボジアの新年を祝った.もう,食べて飲んで大騒ぎ…のはずなのに,今回は元気のない私.
というのも,なんとGiardiasis(ランブル鞭毛虫症)にかかってしまったから.聞いたことがありますか? この病気.日本ではきわめてまれな疾患なので,私もカンボジアへ来るまですっかり忘れていました.下水道が整備されていない地域で多くみられる感染症です.感染経路はA型肝炎と同様に便の中に排泄された原虫がなんらかの形で口の中に入ることによります.カンボジアは“どこでもトイレ,どこでも台所”という状況なので,この手の疾患はあとを絶たず,ほかにもトリコモナス原虫,回虫,蟯虫…と“虫”とつくものはなんでもいます.私も顕微鏡下で自分の便の中でウジウジと動いている“虫”をじっくりと拝ませてもらいました.
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