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セラピューティック・タッチ実践ガイド・4
第4章:日常のセラピューティック・タッチ
Therapeutic Touch in Daily Practice
ジャネット・マックリー
,
内布 敦子
1
,
黒木 亜子
1兵庫県立看護大学
pp.648-655
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903510
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いったんセラピューティック・タッチを定期的に行ない始めると,ある現実的な問題が起こる可能性がある.この章での題材は,私の施術者としての経験や同僚や生徒との討論から得られたものである.セラピューティック・タッチは普遍的な人間の相互作用に基づいているので,施術者は同じ問題を抱え,同じ関心事を口にし,同じ質問をしがちである.
たとえば,ほとんどすべての授業で誰かが次のような質問をする.「友人や患者にセラピューティック・タッチをどう説明するのがいちばん良いでしょうか?」.人にセラピューティック・タッチを説明するのに良い方法は数多くあり,人は実にさまざまなので,常に1人ひとりの必要性に合わせて説明しなければならない.かつて私が初心者だったころ,胃が痛いという少年を助けたいと思った.子どもにセラピューティック・タッチを取り入れるのははじめてのことだったので,私は少しためらっていた.「痛みがあるところに手を置いてもいいかしら?」とたずねると少年はうなずいた.そこで彼の胃に手を置き,それから少年がどのように反応するかわからなかったので,少年の体の表面から約10cmの所まで手を上げて言った.「ここから外へいろいろな痛みを感じるんだけど,そうよね」.まるで世界で私がいちばんぴったりと言い当てたと言わんばかりに,私をじっと見つめながら少年は重ねてうなずいた.
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