ひとやすみ・33
人生は出会い
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.668
発行日 2008年5月20日
Published Date 2008/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102131
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- 文献概要
長い人生においては,数多くの人と出会う.そして,出会った人達の影響を受け,自己の人生を切り開いて行く.私自身の人生においても多くの出会いがあり,その出会いによって今の自分が存在する.
ある研究会の懇親会で,市内の中堅外科医から話しかけられた.彼が中学生のとき,父親が胃癌で胃全摘術を受けた.術後に縫合不全が生じ,さらに吻合部狭窄が生じた.半年ほど経口摂取が満足にできず,体重も激減した.そのときに大学から若い先生が来て,内視鏡で狭窄部の切開拡張術をしてくれた.その直後から,経口摂取が可能となり,父親は職場復帰ができた.主治医が大変苦労し,再手術さえ覚悟していたのに,短時間で簡単に症状を治してしまう医療技術に大変驚愕したこと,そして,それが動機となって,医師となり病気に悩んでいる患者さんを治してあげたいと思ったこと,そして今は外科医として診療に従事していることを話してくれた.
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