連載 [ルポ]訪問看護はいま・9
「開業ナース」の牽引役として—24時間の訪問看護体制を敷く「日本在宅看護システム株式会社」
宮崎 和加子
1
1北千住老人訪問看護ステーション
pp.1138-1143
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900766
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6年前に開所した在宅看護研究センターのことは当時から注目をしていた.“看護婦が開業した”“ずいぶん高い料金のようよ”“長く続かないんじゃない”などといううわさが聞こえていた.私は,いろいろ批判的な声もあろうが,「看護」を資本主義の日本で市場の論理で展開するとは,ずいぶん勇気があることと思っていた.採算が合う運営は難しいことが予測できるのに,そうさせるエネルギーは何だろうかとも思っていた.
その在宅看護研究センターが今年4月に株式会社としてスタートした.名称は「日本在宅看護システム株式会社」.訪問看護を主体とした経営が現在の社会の中でどのように展開できるのか,私からすれば,かなりの冒険に近い決断でもあると思った.前号の(株)コムスンに続き,いわば多角的な在宅ケアの企業とは異なり,訪問看護や介護を主体とした企業の現状について,忌憚のないご意見を伺った.それは私たちの訪問看護ステーションの行く末にも一定の示唆を与えるからである.
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