特集 アジア地域における職業保健
第10回アジア労働衛生会議に参加して
渡辺 孝男
1
Takao WATANABE
1
1東北大学医学部衛生学教室
pp.422-424
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206721
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1982年9月5日から10日まで,シンガポールにおいて開催された第10回アジア労働衛生会議への参加は,私としては1976年東京での第8回,1979年韓国のソウルでの第9回に続いて,第3回目である.アジア労働衛生会議は,労働科学研究所初代所長暉峻義等博士の努力により,アジア地域の労働者の,健康と生活の向上を目的に,国際的な情報交換と学術研究の交流と協力のための場として組織され,1956年に,ビルマ・インド・インドネシア・中国・フィリピン・タイ・日本の7ヵ国が参加して第1回会議が東京で開催された.以後,3年毎にアジア各地域で開催されてきており,26年の長い歴史を持っている.会議の企画運営は,開催国の組織委員会が独自に責任を持って行うもので,会議の内容にはその時々のアジア各地域の,今日的な労働衛生活動の理念や実態,また直面する問題等が多分に反映される.
私にとってこれが3度目のアジア労働衛生会議への参加とは言っても,その組織や運営活動状況等について断片的というよりも,ほとんど知らないに等しく,また実際にアジア地域での労働衛生活動に従事した経験もないので底の浅い,的を得ていない雑感記になるのではといささか心細い限りである.
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