学生の広場
患者を通して学んだ看護ケア
山田 美紀子
1
1山形市立病院済生館高等看護学院
pp.1213-1216
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900282
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はじめに
あらゆる看護活動に共通する看護内容は,人々が自分の健康に役立つように,自分の生活行動を保持するのを助けることである.また,人々の健康問題は,その人の生活行動の日常性に変化を起こしたり,あるいは日常性を損なうこともあると考えられる.看護における援助は,この日常性の変化をできるだけ少なく留めるものでなければならない1)といわれている.健康にかかわる生活行動として,呼吸する,食べる,排泄する,身体の清潔を保つ,活動するなどがある.そして,これらに対して基本的な援助方法があり,これをしっかり学び,身につけておかなければ,良い看護は行なえない.
私は数々の実習を行なってきたが,必ずどこでも“日常生活を安楽に過ごすことができるようにする”という目標を立ててきた.そして,前述したことを念頭に置きながら,自分なりに努めてきたつもりであった.だが,内科病棟実習時に受け持った患者の言動から今,自分が行なっている看護ケアは何を目的としているのだろうか,対象である患者のことをどれくらい考えていたのだろうか,を考えさせてくれた.そこで私は,この言動を振り返り,自分の看護ケアを見直し,看護が求めるものに近づいていきたいと思う.
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