特集 療養環境を考える—人と人,人と設備のインターフェイスを求めて
自助環境をめざすデザイン—トイレ,排泄問題を通して
園尾 義之
1
1(株)エフ・アイ・デイ
pp.1189-1193
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900278
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私とトイレとの関わり
「誰もが使いやすい」デザインとは
かねてより私は,排泄問題を都市文明や個人の尊厳の問題として非常に重要だと考えてきました.2021年には,わが国の人口の約1/4が65歳以上の老人になると予測される高齢化社会にとっても,これは同様に重要な問題です.私は工業デザイナーの立場から,トイレ・医療設備・機器といった分野の開発に携わっておりますが,もの作りのアプローチは,看護職とも共通点があると考え,筆をとらせていただきました.
元来,空間作りは建築家の仕事と考えられがちですが,トイレ空間においては便器や洗面台という道具のデザインが重要です.私たち工業デザイナーはこのようなもの作りが専門ですし,私自身トイレについても勉強してきました.
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