連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・19
“Am I Dying?”—異国で臨終を迎えたFさんの〈死へのプロセス〉
佐々木 高伸
1
,
浜田 博子
2
,
中村 玲子
3
,
国中 一子
3
,
岩田 祐子
3
1社会保険広島市民病院精神科
2社会保険広島市民病院救命救急センター
3社会保険広島市民病院
pp.634-637
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900160
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Fさんのプロフィール
生活歴;56歳,アメリカ人女性.夫の仕事のため,夫婦で広島に移往して2年目であるが,日本人との付き合いがないため日本語を全く理解できない.性格はわがまま.現病歴:激しい胸痛発作を来し,大動脈解離と診断され,緊急手術(解離部閉鎖術)施行.翌日よりせん妄状態を呈し始める.さらに呼吸不全,DIC,急激な肝機能障害に陥り状態悪化,カニューレ再挿管となる.以後呼吸不全は改善されたが,DICと肝不全は一進一退であった.その後,心タンポナーゼ症状が高度となり,再開胸止血術施行.術後は全身状態が改善傾向となり,発語も増え,経口食事摂取もできるようになった.しかし,敗血症,縦隔洞炎による高熱が持続したため,DIC,呼吸不全が再燃し,治療の甲斐なく,手術後55日目死亡した.
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