連載 症状の起こるメカニズム[観察のポイント]・16
不整脈
橋本 信也
1
1東京慈恵会医科大学第3内科
pp.316-319
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900083
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脈拍とは
脈拍は心臓から血液が大動脈に駆出されることによって生じる血管の波動です.ですから原則的には1回の心臓の収縮で1つの脈拍が現われます.しかし,期外収縮や心房細動では,心室が血液で十分に充満されないうちに心臓の収縮が起こってしまうので,十分な量の血液が大動脈に駆出されないことがあります.このような時には,心臓の収縮があっても脈は触れません.これを脈拍欠損pulse deficitといいます.
このように脈拍は心臓の収縮によって起こる血管の波動ですから,これを触診することによって,心血管系の循環動態の異常を簡単にとらえることができるわけです.
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