特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
血液ガス・電解質・微量金属
pH,HCO3-,base excess,PaCO2,PaO2,SaO2
諏訪部 章
1
1岩手医科大学医学部臨床検査医学講座
pp.257-260
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104761
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
動脈血液ガス分析によって体内の酸塩基平衡〔pH,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2),重炭素イオン濃度(HCO3-),base excess(BE)〕と呼吸不全〔PaCO2,動脈血酸素分圧(PaO2),酸素飽和度(SaO2)〕の評価ができる.
血液のpHはPaCO2と水素イオン(H+)の総和であり,生体内では7.40±0.04と狭い範囲内に維持されている.pH 7.4以上をアルカレミア(alkalemia),pH 7.4以下をアシデミア(acidemia)と定義する.アルカレミアならびにアシデミアに至る生体の反応をアルカローシスならびにアシドーシスと称する.pH 7.2以下,pH 7.6以上はパニック値とされ,緊急な対処が必要である.HCO3-は体内では塩基として働く.HCO3-は,腎尿細管における再吸収量の増減により調整されている.BEは血中過剰塩基を表す.BEが0より大であれば代謝性アルカローシス,小であれば代謝性アシドーシスを意味する.
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