特集 「病とともに生きる」を援助する クロニックイルネスの視点から
健康格差社会における慢性疾患―糖尿病を中心とした生活習慣病に関して
田中 剛
1
,
筒井 秀代
2
,
近藤 克則
3
1岐阜県健康福祉部保健医療課
2名古屋大学大学院医学系研究科健康スポーツ医学分野
3日本福祉大学社会福祉学部
pp.1072-1076
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101160
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臨床研修医時代の苦い体験
筆者(田中)が沖縄で研修医をしていた10年前に,非常にコントロールの悪い糖尿病患者さんの担当になったことがあった.何度指導をしても,食事制限を守ってもらえず,またインスリンの自己注射もきちんとできず,糖尿病ケトアシドーシスになりかけて入退院を繰り返している少し頑固なおじいさんだった.まだ血気盛んだった私は,ついイライラしてしまい,「治す気がないなら勝手にしてください」と言ってしまった.結果,「この若造に何がわかるか」と随分相手を怒らせてしまい,それ以来病院に来てもらえなくなってしまったという苦い思い出がある.
この雑誌を読まれている看護職の方々は,似たような経験をされてはいないだろうか.改めて,次のようなことについて考えてもらいたい.
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