連載 日常看護のブラッシュアップⅡ 改良と変革・8
看護師さん,このにおい何とかして!
櫻井 照代
1
,
岡澤 美喜子
1
,
永澤 洋子
1
,
吉崎 伸子
1
,
根本 麗子
1
,
北川 洋子
1
1千葉県立佐原病院
pp.810-815
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100975
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入院患者にとって,ベッドまわりは日常生活の拠点です.環境条件のなかの「におい」は特に入院生活での快適さを大きく左右します.今回,子宮頸癌ターミナル期で不快臭を放っている患者にかかわりました.病室内に悪臭が漂っていると,そこにいる誰をも不快にさせ,それが患者自身の放つものであれば,患者は周囲への気遣いから余計な神経をすり減らすことにもなりかねません.より心地よい入院生活を送るための援助として病室のにおいについて検討し,消臭と看護ケアの工夫を試みました.
Sさんの事例
Sさんは86歳の女性で子宮頸癌ターミナル期の患者でした.直腸腟ろうから癌の浸潤による病的帯下の増加,性器出血に加え,便の漏出などから不快臭がありました.食事は7分粥で,摂取量が多い時には排泄物も多く,不快臭が増強しました.左腎盂に腎ろうカテーテルを留置していました.
日常生活は,寝たきりで全面介助を要し,時折つじつまの合わない言動がありました.
入院環境は北側の6床室で入り口にもっとも近いベッドでした.病室の室温は平均23℃,湿度63%でした.
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