連載 カズのもっとカンボジア日記・15
血をめぐる風習etc
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.1041-1043
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100808
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カンボジアでも日本のテレビが見られるんですよ.最初は,テレビもない生活をしていたのにねぇ.甘やかされてしまいました.でも,この国以外で起きていることをまったく知らないで生活していることに,ちょっとばかり焦りを感じ,あのイラク戦争がはじまったときにケーブルを入れ,世界のことがわかるようになりました.日本のテレビはNHK,それもニュースだけですが,日本で起きていることが手にとるように(?)わかり,満足.
今日,そのニュースを見ていたら,心臓病をわずらう男の子の親がその子の手術を拒否しつづけた結果,“子どもの生命を危機にさらす可能性がある”という理由で親権を取り上げられたと報じていました.その後,男の子は手術を受けて回復し,現在は養護施設から学校へ通っているということでした.そのニュースからだけでは,子どもが持っていた疾患や親が拒否した理由などが報じられていなかったので,具体的な議論はできないけど,以前宗教上の理由から親が輸血を拒否した結果,子どもが命を落としたというケースを思い出しました.手術の拒否と輸血の拒否はどちらも子どもの生命を危機にさらすという意味では同じだと思うのは私だけかしら.でも,輸血のときには大きな話題にはなったけど,親権までは取り上げられなかったはず.何が違ったのかしらと興味を持ちました.そして,その法律がここカンボジアにあったら,いったい何人の子どもたちが親から取り上げられてしまうんだろうと思いました.
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