特集 基本から見直そう! 感染予防6つのポイント
「手洗い」を見直す(1)
松島 由実
1
1三重県厚生連鈴鹿中央総合病院
pp.425-428
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100712
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当院では,1995年に院内感染対策委員会(それ以前はMRSA委員会という名称)が発足し,2000年にICT(Infection Control Team)が設立された.ICTのメンバーは,ICD(Infection Control Doctor)3名,ICN(Infection Control Nurse)1名,検査技師1名,薬剤師1名で構成され,各部署1-2名のリンクナースがICTにリンクしている.私は2002年8月に日本看護協会感染管理認定看護師の資格を取得し,現在専任で感染管理に携わっている.
周知の通り「手洗いは感染予防対策の基本である」といわれているが,そのコンプライアンス(遵守率)を高めることはきわめて困難であり,いずれの施設でもその方策に四苦八苦しているのではないだろうか.当院においても職員が十分な手洗いを行なっているとはいえないし,また築10年を経過している当院では,手洗い設備が整っているとはいいがたいのが現状である.しかしそのような状況の中で,手の汚染による交差感染や,医療者自身の感染の危険を少しでも回避するように働きかけることが,感染管理を担当する者の重要な役割の1つである.
そこで今回手洗いを見直し,リンクナースとともに手洗いに関するチェックリストを用いた「手洗いチェック」を開始することとなった.手洗いに対するコンプライアンス向上の評価には至っていないが,手指衛生の改善を推進するための方法の1つとして紹介する.
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