特集 乳がん看護はトータルケアへ
[座談会]乳がん看護の醍醐味―多様な選択肢と長い経過に向き合う患者を支える
阿部 恭子
1
,
徳世 良重
2
,
鈴木 久美
3
,
武石 優子
4
1川上診療所乳腺・甲状腺クリニック
2埼玉県立循環器・呼吸器病センター
3淀川キリスト教病院外来
4乳腺クリニック長瀬外科
pp.1058-1065
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100555
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阿部 私は現在,千葉県の乳腺・甲状腺を専門とするクリニックに勤務しています.乳がん看護が日本看護協会の認定看護師の認定分野として特定されたこともあり,乳がんに携わる看護師が増えてくることを期待しています.
本日は,乳がん看護とかかわりの深いみなさまにお集りいただきました.まず,どのような経過で乳がん看護を実践なさってきたかを教えていただきたいと思います.
患者の置かれた状況への疑問から
徳世 私にとって,乳がんは看護の出発点です.1977年に埼玉県立がんセンターに就職したとき,最初に配属されたのが乳腺外科の病棟でした.当時の乳がん患者さんは,進行がんの方が多く,リンパ腺まで全部郭清していたのですが,1998年に同じ病棟へ戻ったときには,早期発見により,部分切除が主流になっていました.
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