巻頭カラー連載
Harmony of Life⑧
井上 冬彦
1
1井上胃腸科・内科クリニック
pp.783
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100366
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- 文献概要
サバンナの大自然のなかで、いのちの営みを見ているうちに”死はいのちの消滅でも終焉でもない“ことに気づき始めた。たとえば、ヒョウやライオンなどの肉食獣に襲われて死んだ草食獣がいるとする。その肉の残りは、ハイエナ、ジャッカル、ハゲワシなどによって食べられていく。最後に残った骨などは地中に溶けて植物の栄養となる。生き物の排泄物や死骸などを栄養に育った植物は、草食動物や昆虫を呼び、それらを食べに他の動物たちが集まってくる。このように無限につながる生と死の連鎖。死は生のために必要であり、死があることは健全なことだとわかる。
ところが、人間はどうだろうか。
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